弁護士砂子昌利

2015.07.27更新

こんにちは、弁護士の砂子(まなご)です。

夏到来、夏本番。連日猛暑が続きますね。

こう暑いと体調管理も大変ですね。

みなさま、ご自愛ください。

 

さて、本日は、交通事故損害第2弾です。

交通事故の被害にあった場合に、どのような損害が賠償されることになるのかについて簡単に見ていきましょう。

 

1 損害項目一覧

  交通事故にあった場合に、加害者(多くの場合は保険会社)から賠償される損害は大きく分けて次の3つに分類されます。

  そして、それぞれの損害項目ごとにさらに細分化されます。

(1)積極損害(交通事故によって支出を余儀なくされた損害)

①治療費  ②付添費  ③将来介護費 

④雑費(入院雑費等)  ⑤通院交通費・宿泊費等

⑥装具・器具等購入費  ⑦家屋・自動車等改造費 

⑧葬儀関係費用(死亡時の場合) 

⑨損害賠償請求関係費(診断書などの文書料等) ⑩その他

 

(2)消極損害(事故がなければ将来得るはずだった利益)

  ①休業損害 ②入通院慰謝料 ③後遺障害慰謝料 ④後遺障害逸失利益

 

(3)物損(事故によって破損した物の損害)

    事故当時の時価が賠償されます。

※この他、過失相殺や損益相殺という問題がありますが、それは別項目でお話します。

 

2 各損害はどのように賠償されるのか(治療費及び消極損害について)

(1)治療費

 治療費は、原則として実際に負担した金額がそのまま支払われます。ただし、交通事故の治療に不必要な治療費は支払われませんので、必要かつ相当な実費全額が賠償されることになります。

※過剰診療、高額治療として支払が拒否されることもありますので、ご注意ください。

  

 治療費については、加害者が保険に加入している場合には、病院側から保険会社に直接請求される取扱いになるのがほとんどです。

 また、整形外科ではなく、柔道整復(接骨院,整骨院),鍼灸などの施術費が支払われるのか否かということが問題となることがありますが、症状によってこれらの施術が有効かつ相当な場合、とくに医師の指示がある場合には認められる傾向にありますので、主治医とよく話し合って診断書にその旨記載をしてもらっておくことが好ましいです。

 

☆いつまで治療費は支払われるのか?

 治療費は、原則として、症状固定時まで支払われます。

☆症状固定とは?

 症状固定とは、これ以上治療してもその効果が望めない状態のこといいます。

 簡単にいうと、治療してもこれ以上改善しません、という状態のことです。

 

※症状固定後の治療や将来手術費・治療費が認められる場合もございますので、まずはご相談ください。

 

(2)消極損害

 ①休業損害

 基本的には「現実の収入減」が損害となります。

【給与所得者】

 給料を得ている被害者の方は、事故で休んだために勤務先から減らされた給料・賞与の額が損害となります。

 有給休暇を使用した場合には、給料の減額はありませんが、有給休暇の権利を使ったこと自体を損害と考えますので、有給消化した日数についても休業損害が支払われます。

 事故前の収入額(3か月分の合計)を労働日数(90日)で除して、1日あたりの対価を算出し、休業日数を掛けて損害額を算出します。

《必要書類》

休業損害証明書:勤務先に発行してもらいます。

この用紙は、保険会社がくれますが、自賠責保険の保険会社に連絡すると送られてくる請求用紙類の中にも入っています。

   給与明細書等 :実際の収入を証明する書類が必要となります。

 

【自営業者の場合】

 事故のために所得(利益)が減少した場合にその減少分が損害となります。

 ただし、自営業者の場合には、収入が一定ではないため、損害を証明することが難しいため、休業損害の認定で揉めることが多いです。

 なお,事故後に仕事ができなかったとしても、事務所家賃のような固定費の支払を続けざるをえなかったというような場合には、支払った固定費分も損害となります。

※会社役員の場合には、役員報酬のうち労務提供の対価部分は休業損害として任用されますが、利益配当の実質をもつ部分については、認められません。つまり、役員の場合には、報酬全額を損害として認定してもらえない場合があるのでご注意ください。

《必要書類》

事故前・事故後の決算報告書や確定申告書など

 

【主婦の場合】

 主婦の方の場合は、厚生労働省が発表している賃金センサスという統計資料を使って、その中の女性の年間平均賃金(全年齢、全学歴を通算したもの)を基礎にするのが通常です。
 この年間平均賃金を365日で割って1日あたりの単価を算出し、これに休業した日数を掛けて損害を算定します。
 ただし、けがの症状によっては、主婦業がまったくできなかったわけではない場合に、できなかった割合に応じて損害額も変わってくることになります。

 

⇒休業損害は、保険会社から毎月支払われる場合と治療終了後の示談時にまとめて支払われる場合があります。過失割合に争いがある場合などは、過失割合に応じて減額された金額が支払われて、示談時(場合によっては裁判)に争うことになります。

 

※休業損害については、無職(失業者)の場合や学生の場合にはどうなるの?といった問題もあります。無職者の場合には、就労の蓋然性があれば認められる可能性があります。また、学生の場合には原則は認められませんが、実際の収入があれば認められます。事故により就職が遅れた場合には、その損害も認められる傾向にあります。

 

この他にも様々な問題があるのですが、残念ながら今日は書ききれません。

というわけで、入通院慰謝料や後遺障害損害はどのように算出され、どのように請求するのか、については改めてお話します。

 

それでは、また。

投稿者: 渋谷宮益坂法律事務所

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